ひとしずくのことのは
6
月がその形を変えていくように
みんなの心が変わったとしても
私だけは変わらない
いつでも受け止めてあげられる
だから私のことも受け止めて
さあ旅立ちの始まりだ
見送ってくれる人もなく
伴うのは流れる風のみだけど
迎えてくれる人もなく
後押しは自身の影のみだけど
受け入れてくれる場所を求め
心から安らげる場所を探して
感傷に浸っている時間はない
こうしている間も時は流れ
めまぐるしく世界が変わっていく
挫けてばかりではいられない
立ち止まっている間にどんどん
人々の波に飲み込まれていく
目標が達成されるのは
いつになるんだろう
でも焦ってはいけない
そうすればするほど
遠ざかっていくことを
何度も経験しているから
いつでも涙を流せれば
悲しみは少しだけ
和らぐのに
涙が流れないから
いつまで経っても
思いは止まない
僕たちはいつも
正しいことばかり
できるわけではありません
時には間違いを
起こすこともあります
ただその間違いに
気づけない人は
ずっと同じ過ちを
繰り返していくでしょう
間違いに気づくこと
そして正しい道へと
直していくことこそが
大切だと僕は考えます
自分で自分を守るのに
疲れ果てた時
ようやく辺りに
目を留めようと考えた
半ば自暴自棄な
思いだったけれど
恐る恐る出てみた外は
とても穏やかだった
求めてくれさえすれば
いつでもそばに行けるのに
自分は必要ないからと
意思もなく影を潜めてばかりでは
更に忘れられていくばかり
迷惑がられても
無理にくっついていく
その強引さも
自分を生かすためには
必要なのかもしれない
渾身の力を振り絞って
痕跡を消し去ろうとしても
根底から覆されていくんだ
漆黒に染まった自分と
向き合おうともせずに
目の前に出された手を
振り解いて駆け出した
暗闇の中降り積もる羽は
手を差し出したままの
あなたから落ちていた
柔らかな純白の温もりは
新生への憧憬を呼び覚まし
立ち止まり振り向いた私を
僅かな光の下へ引き寄せる
行き交う人の波にもまれ
一歩を踏み出すこともできず
空を見上げるしかない僕は
うつろう辺りの景色に
目をやることもなく
ただ風に揺れ
立ちつくすのみだった